初めてのオシャレカフェ注文を終え、いざ先輩の隣へ。

「こんにちは、先輩」

後ろから話しかけるが、彼は無反応。

よく見ると、耳にはイヤホンが。

大きな音量で音楽でも聴いているのか、俺の声に気づいていないみたいだ。

よし、しかたない。

俺は空いているほうの手で、先輩の肩をトントンと叩いた。

すると彼は振り向き、まるで妖怪でも見つけたような顔をした。

「お前」

イヤホンを外し、俺を見上げる先輩。

「こんにちは、先輩。偶然ですね」

自然に、あくまで自然に。

相良先輩の横に座り、アイスカフェラテを飲む。

「なんでお前がここに」
「はい、姉の家に用事がありまして」

姉の家の場所を詳細に説明しようとすると、相良先輩に遮られた。

「お前の姉さんの家に興味はない。ってか、お前なんなんだよ。俺に構うなよ」

非常にうんざりした表情で本をテーブルに置く相良先輩。