まだ五月だというのに、日差しは容赦なく俺の脳天に突き刺さる。
姉と旦那さんは大荷物を抱えてきた俺を歓迎し、ねぎらってくれ、お茶やお菓子をごちそうしてくれた。
けれど、肝心の姪っ子が謎のギャン泣きをするので、刺激しないように早く帰ることに。
赤ちゃんを育てるのって大変だなあ。かわいいんだけど、それだけじゃない。
かつては美人だった姉も、疲れて別人のようになっていた。
バスで駅まで戻って広場の大時計を見たら、十一時。
少し早いけど、どこかで昼飯食っていこう。
出産祝いの横に置いてあった封筒に、母の字で「報酬」と書いてあった。中身は千円札一枚。ありがたく使わせていただく。
土地勘がない場所なので、スマホでラーメン店を検索すると数件ヒットした。
その中から一番近い、歩いて五分くらいの店を目指して歩き出す。