そしてこの二日目、個人戦。個人戦は各部活四名まで出場できる。うちの学校は団体戦に出たメンバーがそのまま出場することに。

団体戦はトーナメントだったが、個人戦はまずリーグ戦。各リーグ二位までが決勝トーナメントに進むことができる。

「ご愁傷様」
「運が悪かったな」

他の先輩が嘆く先輩を慰める。

彼が言う「相良さん」……フルネーム、相良充希(みつき)のほうを、俺は見つめた。

一日目の団体戦で、相良さんは会場じゅうの視線を集めていた。

他の選手はみんな藍色の道着袴を着用していたが、男子選手では相良さんだけが白い道着袴だったのだ。

そして胴の色は金色。普通は黒が多いのでこれまた目立つ。

他の防具は藍色だったが使い込んでいるのか、色が褪せている。

相良さんの所属する学校の他の選手も藍色の道着を着用していた。

女子ではたまに白の上下を着ている学校もあるが、藍色のほうが多い。