やめよう。本当のことは相良さんしか知らないんだから。

俺は俺にとって納得できる理由がほしいだけだ。

「でも、話せた」

気を取り直し、俺も教室のほうへ向かう。

一緒に剣道をやるという夢は破れたけど、同じ学校に通っているんだから、また顔を合わせることもあるだろう。

俺と相良さんを繋ぐ糸は、完全に切れてはいない。

望んでいた言葉はひとつももらえなかったけど、それでもいい。

彼が生きて現実に存在してくれているだけでいい。

俺は足早に教室に戻り、残り少なくなった休憩時間で急いで焼きそばをかきこんだ。