午前中の授業が終わるなり、俺は購買へ走った。
購買と言っても、うちにはそれ専用の建物などない。
いつも昼休みになると地域のパン屋がバンでやってくる。それを買いそびれたら昼食にありつけないので、みんな必死だ。
なのでうちの生徒はほとんどの人が昼食を持参する。
いくら公立高校といえど、購買くらいはあってほしいものよなあ。食堂とまでは言わないからさ。
なんとかツナサンドと焼きそばのパックをゲットして戻ろうとすると、背後で「売り切れでーす」の声がかかった。
よし、なんとか間に合った。
ふうと息をつくと、近くからはあと他人の息が聞こえてきた。
「どうしよ……」
声のしたほうを見ると、新入生らしい女子が絶望の表情で突っ立って、去り行く移動パン屋を見送っている。
ポニーテールでメガネのこの子、見たことあるぞ。たぶん同じクラスだ。
「なんも買えなかった?」
声をかけると、彼女はビックリしたような顔でこちらを見て、次には肩をすくめた。
購買と言っても、うちにはそれ専用の建物などない。
いつも昼休みになると地域のパン屋がバンでやってくる。それを買いそびれたら昼食にありつけないので、みんな必死だ。
なのでうちの生徒はほとんどの人が昼食を持参する。
いくら公立高校といえど、購買くらいはあってほしいものよなあ。食堂とまでは言わないからさ。
なんとかツナサンドと焼きそばのパックをゲットして戻ろうとすると、背後で「売り切れでーす」の声がかかった。
よし、なんとか間に合った。
ふうと息をつくと、近くからはあと他人の息が聞こえてきた。
「どうしよ……」
声のしたほうを見ると、新入生らしい女子が絶望の表情で突っ立って、去り行く移動パン屋を見送っている。
ポニーテールでメガネのこの子、見たことあるぞ。たぶん同じクラスだ。
「なんも買えなかった?」
声をかけると、彼女はビックリしたような顔でこちらを見て、次には肩をすくめた。