温かく迎え入れられ、彼はうれしそうにはにかむ。

彼が笑うと、空気が浄化される。みんなの臭い汗まで光って見えてくるから不思議だ。

練習が終わると、俺たちは駅までの道を一緒に帰る。

充希先輩はダサいと酷評した部活Tシャツを着るようになった。

長ズボンの裾をくるぶしが見える辺りまでくるくると巻いて上げた姿がかわいい。

「で、個人戦で進めたのはお前だけか」

地区大会の翌日、個人戦が行われた。

部長たちは前日の団体戦で力を使い果たし、あっさり一回戦負け。

俺はトーナメントのくじ運がよかったので、なんとか出場権を手に入れた。

県大会は午前に個人戦、午後に団体戦が行われる。

「応援してくれますか」

「おう。一応彼氏だからな」

ニッと笑う充希先輩。彼が応援してくれるなら、どこまでも行ける気がする。