「えええええー!」

そんなバカな。そんなはずはない。

この地球上で至高の存在である相良先輩が、俺みたいな下等生物を相手にするはずがない。

叫んだ俺を、彼はまた叩いた。

さすがに速い。よけきれない。

「なななんなんで」
「なんでだろうな。俺もよくわからんわ」
「そそそそそそそんな」

ずっと憧れ続けた空の星が突然手のひらに落ちてきたような衝撃。

相良先輩が、俺のことを好き……。

「あーじれったい。お前は俺が好きか、どうなんだ」
「好きです!」

即答した。

相良先輩はふんと鼻を鳴らす。

「じゃあ、命令。俺と付き合え」
「は、はいっ」

付き合うって、どうすればいいんだ。

まったく見当もつかないけど、彼の命令なら聞くしかない。

「一生俺の下僕でいろ」
「もちろんです」

いつもの調子に戻ってきた相良先輩。

そうそう、俺と先輩はこうでなくちゃ。

「俺を裏切るな」
「絶対に裏切らない」

俺は一生、あなたの下僕です。

あなたを傷つけるものから守りたい。