閉会式も無事に終わり、俺たちは解散した。

七月の今、夕方でも明るく暑い。

「まさか本当に優勝するなんてな」

俺と相良先輩は、近くの川沿いをゆっくり歩く。

夏特有の土や草の香りがジャージの裾を掠めた。

閉会式では、青谷部長が優勝旗を受け取り、号泣していた。

その後は慌ただしく集合写真を撮り、着替えて、解散。余韻に浸っている暇もない。

打ち上げをやろうと前田先輩が言ったが、今日はみんな疲れ切っているので、別の日に仕切り直そうということになった。

先輩たちはそれぞれ家族と合流したり、駅から電車で帰ると言って別れた。

俺と相良先輩は、武道場の周辺をブラブラしてから帰ることに。

「ってか、なんで部活Tシャツ?」

着替えた俺は、「剣一筋」と背中に書かれた紺色の部活Tシャツに学校指定のジャージを穿いている。

そう言う相良先輩は、今日もオシャレな私服。大きな荷物は家族に持って帰ってもらったらしい。

俺も写真撮影のときに下に降りてきた母に、防具をたくした。