「褒美だ。受け取れ」

相良先輩は手ぬぐいを床に放り、両手で俺を包み込む。

俺より小さな相良先輩が背伸びして、俺を抱きしめてくれた。

「はは、くっせえなあ」

彼は俺の背中をトントンと叩く。まるで幼子をあやすように。

「へへへ、へへ」

暴言だって、俺にとっては愛情表現に聞こえる。

同じように両手を先輩の背に回し、ぎゅっと力をこめる。

俺は彼の髪のにおいを、思い切り吸い込んだ。