この前のギャルたちとは違う。彼女たちは、相良先輩を心から心配していたのだろう。

自分が受け入れられなくて、疎遠になっちゃったって言ってたもんな。

これでまた縁が繋がるといいけど。

「なにニヤニヤしてんだよ。好みなら紹介しようか」

相良先輩に肩を叩かれ、我に返った。

のぞきこむ顔が憎らしい。

「あの子たちより、相良先輩のほうが綺麗です」
「は? キッショ」

得意の「キッショ」が出ると、先輩たちが笑った。

まるで俺たちは漫才コンビみたいに思われている。

俺が相良先輩を賛美し、彼が「キショイ」と返すのが鉄板ネタ。

ネタじゃないんだけどな。本気で思っているんですよ、俺。

そんなこと言っても信じてもらえなさそう。

「よかったですね」

同窓会、楽しそうだな。きっとお互いたくさん話したいことがあるだろう。

微笑むと、相良先輩も目を細めた。

「お前のおかげだよ」
「え?」

聞き返すと、相良先輩はさっと立ち上がった。座っている俺からは表情が見えにくい。

「なんでもない。さ、そろそろ下降りるぞ」
「はいっ」

俺たちは相良先輩に従い、再び試合に向かった。