「あのう、もしかしてみっちゃん?」
「私たち中学一緒だったんだけど、覚えてる?」

みっちゃん……ああ、相良先輩の名前が充希だからか。

なるほど、相良先輩と同じ中学で部活も一緒だったわけだな。

「ああ、どうも」

相良先輩が愛想よく返事をすると、女子たちはうれしそうに微笑む。

「復帰したんだね!」
「んーん、期間限定。まだリハビリ中」
「あ、そっか……」

同じ部活だったなら、彼が事故に遭ったことも知っているはず。当時は心配したことだろう。

「ってか、なんで金髪?」
「あー、高校デビューしちゃった。別に規定違反じゃないし、いいかなって」
「似合ってるけどね。みんなびっくりするよ」

三人はたわいない話をして笑う。

そう、相良先輩は金髪が似合っている。天使のようだ。黒髪でも、素敵だと思うけど。

「この通りわりと元気だからさ。もしほかに同級生いたら、また遊ぼうって言っといて。電話番号変えてないから」
「うん!」
「近いうち、同窓会しようね」

女子たちは、それだけ言って去っていく。自分たちの試合もあるので、忙しいのだろう。

彼女たちの姿を見送り、俺はほっこりしていた。