あの日の彼との出会いは、私の人生に深い足跡を残していった。
 ただ、靴箱が隣というだけだった。決して特別ではなく、ドラマや映画のような劇的なものではないかもしれない。
 けれど彼との出会いは、確かに私の人生を変えてくれた。
『運命』なんて陳腐な言葉では表したくないけれど、それでもやっぱり『運命』としか言いようがない。
 私はきっと、彼と出会ったその瞬間に――恋に、落ちてしまったのだから。