「どう…したんでしょうか…。」
那津葉先輩が唖然としたように言う。私達3人には三葉さんが怒ったわけが分からなかった。それから、しばらく私達はどんよりした空気で黙っていた。はじめに喋り出したのは昊葉会長だった。
「まあ。その…考えてても仕方がないし三葉さんの件は様子見って事で。後で三葉さんに連絡入れとくよ。恋星さんは明日の放課後から活動開始になるから生徒会室に来てね?」
さすが昊葉会長、切り替えがとても早い。
私はしどろもどろ言葉を発した。
「あ、わ…かりました。それじゃあ、今日は帰宅しても良い…?」
「うん。良いよ、こんな時間だしね。」
そう言われて生徒会室にあった時計を見てみると15時を過ぎていた。本来の下校時刻は13時30分のためだいぶ過ぎている。
(あっ!今日って雨晴さんと帰る約束してたんだった…。すごい待たせてる…!)
「それじゃあちょっと用事あるので帰ります!失礼しました!」
そう言って急いで生徒会室を出て行こうとした。その時、誰かが私の腕をつかんだ。振り返ってみると、那津葉先輩がいた。
「ごめんね。えっと…はいこれ!私のメールアドレス。今後のことについてとかお知らせするから…。」
私が急いでいる事が目に見えていたからか、少し申し訳なさそうにしている。
「ありがとうございます!いっぱい頼らせてもらいます!!」
そう元気よく言うと、那津葉先輩が安心したように笑顔になってくれた。そして私にぎゅっと抱きつく。
(那津葉先輩の笑顔はやっぱりとびきり可愛い!)
「はいはい。くっつくのやめてねー。早く行ったほうがいいんじゃないの恋星さん。」
「むう…。昊葉くんのケチ。」
昊葉会長が私に抱きついている那津葉先輩を引き離す。その事に怒ったのか、那津葉先輩がぷくーっと頬をふくらませてそっぽを向いている。
(あれっ?那津葉先輩って「昊葉くん」って呼んでたっけ?)
疑問が浮かび、ううん…。と唸っていると昊葉会長が言った。
「じゃあね恋星さん。また明日。」
私はハッとしてそさくさと生徒会室から出ていった。雨晴さんを少しでも待たせないようにと急いで正門に向かった。靴を履き替えて昇降口を出ると金髪の女生徒が立っていた。雨晴さんだ。
「雨晴さん!遅れてすみません!!」
雨晴さんがこちらを見てぱあっと笑顔になった。
「大丈夫よ。生徒会のお仕事お疲れ様!さあ、帰りましょう!」
1時間半も待たせてしまって流石に帰っていたり、怒っていたりすると思っていたけれど、平気だったみたいだ。
「大したことはやってないんだけどね。…そういえば、次席の子も生徒会に入るって昊葉会長が言ってたよ!」
雨晴さんが明らかに嫌そうな顔になる。
「そうなの…?やりたくないわ〜。昊葉会長が苦手。」
「何で昊葉会長が苦手なの?」
「んー。何考えてるかよく分からないから…かな。昔の知り合いに同じ雰囲気の人がいてね〜。」
「じゃあその人のことも苦手だったんだ…?」
そう聞くと雨晴さんは黙ってしまった。
気まずくなった空気の中、突然雨晴さんが手をパンッ!と叩いた。
「はい!この話終わりね!暗い話はしたくないから!」
そう言って笑いかけてくれた。
「あっそうそう。私の事「雨晴さん」じゃなくて華恋でいいわよ。そのほうが友達って感じがするし!」
「…う、うん!えっと…じゃあ華恋ちゃんって呼ぶね?」
友達と言ってくれた事がとても嬉しかった。高校生活初の「友達」だ。
「じゃあ私はこっちだから。また明日。」
あと少しで家に着くというところで華恋ちゃんと別れた。別れた後浮かれていた私に、華恋ちゃんの言葉が届くことはなかった。
「はあ…。もうちょっと情報を聞き出せばよかったかしら…。私がヴァンパイアに見つかるのも時間の問題ね。」
那津葉先輩が唖然としたように言う。私達3人には三葉さんが怒ったわけが分からなかった。それから、しばらく私達はどんよりした空気で黙っていた。はじめに喋り出したのは昊葉会長だった。
「まあ。その…考えてても仕方がないし三葉さんの件は様子見って事で。後で三葉さんに連絡入れとくよ。恋星さんは明日の放課後から活動開始になるから生徒会室に来てね?」
さすが昊葉会長、切り替えがとても早い。
私はしどろもどろ言葉を発した。
「あ、わ…かりました。それじゃあ、今日は帰宅しても良い…?」
「うん。良いよ、こんな時間だしね。」
そう言われて生徒会室にあった時計を見てみると15時を過ぎていた。本来の下校時刻は13時30分のためだいぶ過ぎている。
(あっ!今日って雨晴さんと帰る約束してたんだった…。すごい待たせてる…!)
「それじゃあちょっと用事あるので帰ります!失礼しました!」
そう言って急いで生徒会室を出て行こうとした。その時、誰かが私の腕をつかんだ。振り返ってみると、那津葉先輩がいた。
「ごめんね。えっと…はいこれ!私のメールアドレス。今後のことについてとかお知らせするから…。」
私が急いでいる事が目に見えていたからか、少し申し訳なさそうにしている。
「ありがとうございます!いっぱい頼らせてもらいます!!」
そう元気よく言うと、那津葉先輩が安心したように笑顔になってくれた。そして私にぎゅっと抱きつく。
(那津葉先輩の笑顔はやっぱりとびきり可愛い!)
「はいはい。くっつくのやめてねー。早く行ったほうがいいんじゃないの恋星さん。」
「むう…。昊葉くんのケチ。」
昊葉会長が私に抱きついている那津葉先輩を引き離す。その事に怒ったのか、那津葉先輩がぷくーっと頬をふくらませてそっぽを向いている。
(あれっ?那津葉先輩って「昊葉くん」って呼んでたっけ?)
疑問が浮かび、ううん…。と唸っていると昊葉会長が言った。
「じゃあね恋星さん。また明日。」
私はハッとしてそさくさと生徒会室から出ていった。雨晴さんを少しでも待たせないようにと急いで正門に向かった。靴を履き替えて昇降口を出ると金髪の女生徒が立っていた。雨晴さんだ。
「雨晴さん!遅れてすみません!!」
雨晴さんがこちらを見てぱあっと笑顔になった。
「大丈夫よ。生徒会のお仕事お疲れ様!さあ、帰りましょう!」
1時間半も待たせてしまって流石に帰っていたり、怒っていたりすると思っていたけれど、平気だったみたいだ。
「大したことはやってないんだけどね。…そういえば、次席の子も生徒会に入るって昊葉会長が言ってたよ!」
雨晴さんが明らかに嫌そうな顔になる。
「そうなの…?やりたくないわ〜。昊葉会長が苦手。」
「何で昊葉会長が苦手なの?」
「んー。何考えてるかよく分からないから…かな。昔の知り合いに同じ雰囲気の人がいてね〜。」
「じゃあその人のことも苦手だったんだ…?」
そう聞くと雨晴さんは黙ってしまった。
気まずくなった空気の中、突然雨晴さんが手をパンッ!と叩いた。
「はい!この話終わりね!暗い話はしたくないから!」
そう言って笑いかけてくれた。
「あっそうそう。私の事「雨晴さん」じゃなくて華恋でいいわよ。そのほうが友達って感じがするし!」
「…う、うん!えっと…じゃあ華恋ちゃんって呼ぶね?」
友達と言ってくれた事がとても嬉しかった。高校生活初の「友達」だ。
「じゃあ私はこっちだから。また明日。」
あと少しで家に着くというところで華恋ちゃんと別れた。別れた後浮かれていた私に、華恋ちゃんの言葉が届くことはなかった。
「はあ…。もうちょっと情報を聞き出せばよかったかしら…。私がヴァンパイアに見つかるのも時間の問題ね。」