2020年6月17日。
今日は一段とクラスが騒がしい。
隣の席の子によると、転校生が来るらしい。それも女子。
男子は可愛い子がいいと騒ぎ立て、女子は好きな男の子のライバルになるかもしれないとうざがっている。どちらにしても俺には関係ない。
窓側の自席から大きな海をみながら、朝のショートホームルームまでの時間を潰した。
俺の通う墨北高校は大きな海の前に建てられており、美術専攻の教室からはよく見える。特に美術専攻の中でも俺の席からは絶景が望めるので、うれしい。
チャイムがなり、担任が入ってくると、あちらこちらからざわめき声が聞こえた。
「みんな知っている通り、このクラスに転校生が来る。
さ、入って。」
小さな足音を立てながら教壇に立った彼女を見て、クラスが色めき立った。先生が
「自己紹介してもらえるかな?」
と言うと、彼女は
「はい。
阿古屋真珠《あこやまじゅ》です。これから、よろしくお願いします。」
それだけ言ってから、教室をキョロキョロ見渡し、俺を見ると、一瞬固まったかと思えば、すぐにニコッと微笑みかけてきた。
ーーサイアク。またかよ。そう思って、思いっきり無愛想な顔をすると、ビクッと体を震わせ、少し悲しそうな顔をしたが、すぐ先生に向き直り、
「席はどこですか?」
と尋ね、指定された席に座った。
こうしていつも通りの生活が始まった。
今日は一段とクラスが騒がしい。
隣の席の子によると、転校生が来るらしい。それも女子。
男子は可愛い子がいいと騒ぎ立て、女子は好きな男の子のライバルになるかもしれないとうざがっている。どちらにしても俺には関係ない。
窓側の自席から大きな海をみながら、朝のショートホームルームまでの時間を潰した。
俺の通う墨北高校は大きな海の前に建てられており、美術専攻の教室からはよく見える。特に美術専攻の中でも俺の席からは絶景が望めるので、うれしい。
チャイムがなり、担任が入ってくると、あちらこちらからざわめき声が聞こえた。
「みんな知っている通り、このクラスに転校生が来る。
さ、入って。」
小さな足音を立てながら教壇に立った彼女を見て、クラスが色めき立った。先生が
「自己紹介してもらえるかな?」
と言うと、彼女は
「はい。
阿古屋真珠《あこやまじゅ》です。これから、よろしくお願いします。」
それだけ言ってから、教室をキョロキョロ見渡し、俺を見ると、一瞬固まったかと思えば、すぐにニコッと微笑みかけてきた。
ーーサイアク。またかよ。そう思って、思いっきり無愛想な顔をすると、ビクッと体を震わせ、少し悲しそうな顔をしたが、すぐ先生に向き直り、
「席はどこですか?」
と尋ね、指定された席に座った。
こうしていつも通りの生活が始まった。