「まず、私が今から話すことを落ちついて聞いてほしい。
たぶん、理解はできないと思うけど、他人事だと思ってっていうか他人事なんだけど。ちゃんと俺聞き流してはしい。」俺は混乱した。
こんなに真面目な真味は見たことがない。
そして、真珠は口を開いた。
「私は消えます。」
え。?俺の中で声にならない声がこだましていた。
「あー、もう泣いちゃいそう。」
そう言って上を向いて、顔を手であおぐ真珠。再びこちらを向き、
「だから、真珠って呼んで
ください。」
「え?」
今度はちゃんと声になった。
「はやく、涙でちゃう前に。」
ふるえる手でふるえる頰をたたく。
「ま…じゅ」
「うん」
消えるような声で真珠は一言そう言った。
もう止まらなかった。壊れたラジオのように彼女の名前をよびつけた。
「まじゅ、まじゅ、まじゅ、まじゅ」
「透也くん」
彼女がそう言うまで俺は名前を呼び続けた。
一時の静寂が2人の間に訪れ、
彼女の目から一粒の涙が澪れおちる。
そして、
「好きです。」
彼女がほほえんでそう言ったとき、
1粒の真珠が砂におちた。
一俺はどうして
砂浜にいるんだー?