「お面を回収してほしい。お面が何枚あるかもわからない。どこにあるのか、なんのお面なのか。わからない。」
「でも1つだけ分かってることがあるの。「「すべての面が集まったとき、神が集まるだろう。それは世界が変わる道になる。」」これが昔から言い伝えられているものよ。」

神。その言葉に聞き覚えもある。意味もわかる。だが僕は理解できなかった。なぜ僕がやるのか。なぜ僕が選ばれたのか。頭の中が真っ白になり何も考えが効かなくなっていた頃、アレプーが僕に問いただしてきた。
「yesかno。」

「そんなん、、、yesに決まってんだろ!!アニメ見てるだけで、vtuberが好きなだけで、学校でもオタクだとか、気持ち悪いだとか、馬鹿だの、カスだの散々言われてきてよぉ。さっきまで大学行きたいとか言ってたけどアレも全部嘘!ホントは人間と一緒にいたくないし、学校なんて行きたくなかった!毎日辛いし、苦しいし!」
「あっちの世界には僕の居場所なんてなかった!そんなときに転生だぞ?最高に決まってんじゃん!」
「だから、、、、やるよ。 僕の命をかけてでもやる。」

このときの僕の目は最高に光っていたと思う。ヒーローに憧れる少年の目のように。恐れはなかった。僕の中にあったのは希望。その感情に曇りはなかった。
言いたいことを言い終わったときアレプーの顔もまた光っていた。

「やっぱ、、、そうじゃなきゃ始まらないよね〜!  よし!」

小柄な体を精一杯動かし嬉しさを表現している。はしゃぎまわったあとアレプーは自身の懐に手を入れ狐のお面を大切そうに取り出した。白色の狐のお面で目の下に赤い勾玉模様が2本ずつ。中央の上(目の間の上)に2本線。左目に右下方向に黒い傷が入っている。大切そうに撫でたあとアレプーは言った。

「君のお面。」