常任理事国の変更についてはロシアという国が消滅したこともあって異議は唱えられなかった。
 しかし、多数決については中国が強く反対した。
 拒否権は維持されるべきだと譲らなかった。
 その結果、安保理事会で決めることはできなくなり、総会に(はか)ることになった。
 それに対しても中国は無理な注文を付けた。
 90パーセント以上の賛成がない限り認めないというのだ。
 それは余りにも高すぎるハードルだった。
 この世に9割の人が賛成する案件など一つもないのだ。
 しかし、頑として譲らないため、その条件を飲まざるを得なかった。
 さもなくば、国連改革は夢のまた夢となってしまうからだ。