そんな中、お前が心血を注いで建設したクリミア大橋が破壊された。
 これには衝撃を受けた。
 あり得ないことだからだ。
 激高したお前はすぐさま仕返しを命じた。
 ウクライナ全土を破壊しろと命じたのだ。
 これを受けてセルゲイ・スロビキン総司令官はミサイルやドローンを使って電力などのインフラ施設を徹底的に破壊した。
 それは厳冬に向けてウクライナ国民を震え上がらせるためだった。
 しかし、彼らの士気は下がらなかった。
 徹底抗戦の意を更に強める結果となったのだ。

 それでもお前の侵略欲が減ずることはなかった。
 武器不足を補うためにイランを巻き込んだのだ。
 核開発を支援する見返りとして高性能のドローンとミサイルを調達する交渉をまとめたのだ。
 これは、制裁によってロシア国内での兵器製造が難しくなる中、武器調達の新たな道が開けたことになり、お前を大きく勇気づけた。
 そして更に北朝鮮を巻き込むことにも成功し、これによってイランと北朝鮮をロシアの兵器工場とすることができるようになった。
 武器補給の目処が立つようになったのだ。
 一時の劣勢はこれで挽回できると意を強くした。