しかし、思わぬところから新たなクレームがついた。
 侵攻と黒海の封鎖が食料危機を招いているというのだ。
 確かにウクライナが輸出できないことによってアフリカや中東などに大きな影響が出ようとしていた。
 しかもそれは一気に国際世論に波及したので、この対応を誤ると大変なことになると悟ったお前は「ロシアは積み出しを妨害していない」と国営テレビのインタビューで答えた。
 更に、「公海までの安全を保障する」と言ってのけた。
 その上で「港に機雷を設置して封鎖しているのはウクライナだ」と非難した。
 ロシアに責任はないと明言したのだ。
 とにかく悪いのはウクライナと欧米諸国だという主張を崩さなかった。
 それでも世界からの孤立を恐れたお前は国連とトルコの仲介を利用して食料輸出合意を結ぶことにした。
 この件を鎮静化させるためだ。