そこでキエフ制圧が難しいと判断したお前は態勢を立て直して東部への攻撃に集中することにした。
 それは5月9日の対ドイツ戦勝記念日に勝利宣言をするためだった。
 そのためにはなんとしても東部2州の制圧が必要だった。
 お前は迷わずドゥボルニコフを司令官に任命した。
『シリアの虐殺者』と異名をとる彼の手腕に期待したのだ。
 そして、すぐさまアゾフスターリ製鉄所に立てこもって抵抗を続ける憎きアゾフ大隊をせん滅せよと命じた。
 彼らこそお前にとってのネオナチだからだ。
 この戦争の大義を立てるためにも彼らを一掃する必要があった。
 しかし、簡単にはいかなかった。
 核攻撃にも絶えられるほどの頑強な地下設備を破壊することはできなかった。
 そのため、5月9日の勝利宣言は諦めざるを得なくなった。