2012年5月から再びお前が大統領を務めることになったが、今度は2期12年まで可能となり、実質的に2024年までの継続が約束されたと言っても過言ではなかった。
 しかし、順風満帆とはいかなかった。
 アメリカのシェール革命による原油価格への影響やシリア危機などへの対応に直面したからだ。
 更に、ウクライナのマイダン革命が重なった。
 親ロ派と親欧米派の対立が深まった結果、独立広場(マイダン)での民衆運動が盛り上がり、ロシア寄りになっていた政権が崩壊してしまったのだ。
 その結果、親欧米派の大統領が誕生することになるが、それをお前は許さなかった。
 マイダン革命の陰にアメリカがいたことがわかっていたからだ。

 すぐさまクリミアへの侵攻を決断した。
 対して西側はG8からロシアを追放したが、お前の心が変わることはなかった。
 クリミア併合は住民が望んだものであり、ロシアは流血を防いだのだという理屈で押し通した。
 もちろん、クリミア半島がNATOを睨む安全保障上の砦であることが最も重要なポイントだった。
 この地をNATOに奪われる前に抑えなければならないという危機感が後押しをしたのだ。