不曲に新たな情報がもたらされた。
 イランからロシアへ新たなドローンが提供されたというのだ。
 それは『モハジェル6』と『アラシュ2』というもので、中でも『アラシュ2』はより高度な攻撃ドローンだと明記されていた。
 その航続距離は2千キロとも言われているので、ウクライナのほぼ全土を標的にできることになる。
 ということは、長距離ミサイルに加えて長距離ドローンが次々に飛来してくる事態になるということで、ウクライナの防空システムにかなりの負荷がかかることを意味する。
 今でさえもひっ迫している状況が更に悪化することになるのだ。
 しかも情報はそれだけではなかった。
 イラン製の弾道ミサイルがロシアへ大量輸送されているというのだ。
 それが事実ならロシアとイランが軍事同盟を結んだことになる。
 それは、イランがウクライナに宣戦布告したことと同義になるのだ。
 それって……、
 一気に気持ちが落ち込んで目の前が暗くなったように感じた。
 すると、ウクライナ全土で鳴り響く空襲警報と同じものが不曲の耳でも鳴り響き始めた。