プーチンの誕生日当日に発表されたノーベル平和賞はベラルーシの人権活動家とロシア及びウクライナの人権団体が共同受賞したが、これは人権を蹂躙(じゅうりん)し続けるプーチンへの当てつけといっても過言ではないように思われた。
 それだけでも気分を害しているはずだが、その上クリミア大橋の爆破という追い打ちをかけられたのだ。
 内心穏やかであるはずがない。
 というよりも怒りに打ち震えているはずだ。
 だから、プーチンが黙っているはずはない。
 仕返しを、それもかなりの仕返しを考えるに違いない。
 泥を塗られて黙っているはずはないのだ。
 血も涙もない非道なことをする可能性が高いのだ。
 考えたくはないが、再びウクライナ全土へのミサイル攻撃が始まる予感を打ち消すことはできなかった。