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「モルドバに間違いないようです」
ミハイルからの電話だった。
支援品を積載したトラックを追いかけたところ、モルドバのバランカに辿り着いたという。
「今から写真を送りますので確認ください」
「写真ですか? 何の?」
「見ていただければわかります」
そこで通話が切れ、間もなくメールが届いた。
クリックすると、荷物を持つ女性の後姿が目に飛び込んできた。
次の写真にはアップになった顔が写っていた。
ナターシャだった。
間違いなくナターシャだった。
見つめていると呼び出し音が鳴った。
ミハイルからだった。
「奥さんに間違いないですか?」
頷いた。
でも、声が出ていない事に気づいて「はい」と答えた。
「どうされますか?」
移動するかどうかの確認だった。
答えは決まっていた。
即座に「行きます」と伝えた。
「わかりました。すぐに手配します。では後ほど」
それで通話が切れた。
再び写真に視線を戻した倭生那は、スマホの画面に指を近づけて顔に優しく触れた。
そして、愛しい人の名前を呼んだ。
「モルドバに間違いないようです」
ミハイルからの電話だった。
支援品を積載したトラックを追いかけたところ、モルドバのバランカに辿り着いたという。
「今から写真を送りますので確認ください」
「写真ですか? 何の?」
「見ていただければわかります」
そこで通話が切れ、間もなくメールが届いた。
クリックすると、荷物を持つ女性の後姿が目に飛び込んできた。
次の写真にはアップになった顔が写っていた。
ナターシャだった。
間違いなくナターシャだった。
見つめていると呼び出し音が鳴った。
ミハイルからだった。
「奥さんに間違いないですか?」
頷いた。
でも、声が出ていない事に気づいて「はい」と答えた。
「どうされますか?」
移動するかどうかの確認だった。
答えは決まっていた。
即座に「行きます」と伝えた。
「わかりました。すぐに手配します。では後ほど」
それで通話が切れた。
再び写真に視線を戻した倭生那は、スマホの画面に指を近づけて顔に優しく触れた。
そして、愛しい人の名前を呼んだ。