「エドワード王子殿下、レイラ王女殿下にイザベラ・ライトがお目にかかります」
ルブリス王子殿下と私でエドワード様に用意して頂いた食事会の場に行くとレイラ王女がいた。
「イザベラ様、君の大好きなレイラが僕から君への誕生日プレゼントです」
エドワード王子は相変わらず美しい上に、王族のオーラが溢れ出していた。
私の隣にいるルブリス王子殿下が彼の言葉に顔を顰めるのが見えた。
「イザベラ、そんな堅苦しい挨拶をしないで。私はあなたを妹のように可愛がってきたのよ。今後はあなたを義姉として、仲良くさせてもらうことになるのね」
レイラ王女はてっきりルイ国にいるものだと思っていた。
「私、レイラ王女の姉になるのですね。姉でも妹でもレイラ王女と過ごせるのが嬉しいです」
姉だとか、妹だとかどうでも良い。
私は尊敬してやまない憧れの人と姉妹になれるのだ。
「私も嬉しいわ。愛しいイザベラ。ルブリス王子殿下、イザベラはルイ国の伝説の王妃になるような逸材ですのよ。700年以上続いた狩猟大会の開会式で彼女は動物の命の大切さについて問いかけたのです。今から、動物の命を奪う狩りの技量を競う大会の開会式ですよ。普通の人間ではできない言動です。しかし、それによって大会の開催に疑問が生じて、今では弓の技術を競う大会に様がえりしています。私も、毎年、毛皮にもできない動物を大量に贈られて処分に困っていた大会だったのです」
レイラ王女は私を褒めてくれているのだろう。
しかし私は普通の人間ができなかった言動をしたという、彼女の言葉ばかりが耳に残ってしまう。
前世で私は普通にずっとなりたかった。
私は普通じゃないから虐められるのだと思っていたから。
「イザベラはルイ国の王妃になるのか?」
今度は相変わらず空気の読めない言動を、ルブリス王子がしていて驚いてしまった。
ルブリス王子は生まれてから、ずっと次期国王としての地位を約束されて育てられたせいか子供の疑問のような言動をする。
その地位ゆえに誰にも発言を咎められることが、今までなかったのだろう。
「さあ、どうでしょうか。ルブリス王子殿下もまだチャンスがあるかもしれませんよ」
私はレイラ王女の思ってもみない言葉に、思わず彼女の顔を見た。
彼女は何でもない顔で、箱だけで城が買えそうなプレゼントを出してきた。
「サイラスお兄様から預かってきた誕生日プレゼントを渡すわね。イザベラ、お誕生日おめでとう」
渡されたプレゼントは王宮の宝物庫にある雪の女王のティアラだった。
建国祭の時にだけ一般公開される、ルイ国の伝説の国宝だ。
「これ見たことがあるぞ。ルイ国の国宝だよな。昔のルイ国の人間はこんなに頭がデカかったんだな。2頭身くらいじゃないか。」
ルブリス王子の天然な発言に、思わず笑ってしまった。
雪の女王のティアラは、形こそティアラだが非常に大きくダイヤモンドとサファイアが所狭しと埋められている国宝中の国宝だ。
彼の言動が可笑しいのは意地悪なフローラを無理やり愛させられたことと、相棒が根暗で元引きこもりだった私だっただけが理由ではない。
彼は生まれながらに次期国王として育てられたがために、周囲の貴族が彼の言動に同調することしかしてこなかった。
それゆえに、思ったことを子供のように口にし続けている。
「仲が良いのね、サイラスお兄様が不安に思うわけだわ」
レイラ王女の呟きにに心が凍る思いがした。
私の行動がサイラス様を不安にさせているという事実に手が震え出す。
「レイラ、あまり意地悪をしてはいけないよ。イザベラ様の好きそうなものを用意したんです。お口に合えば良いのですが」
エドワード王子に心配をかけてしまっただろうか。
私は胸がなぜか詰まってしまい、食事をとる自信がなくなっていく。
「意地悪なんてしてないわ、エドワード。サイラスお兄様はイザベラ一筋だもの。ルブリス王子殿下は新しいお相手はいないのですか?今、国中の女性があなたに注目してますよ」
レイラ王女はエドワード王子とアイコンタクトだけしてルブリス王子を見る。
その姿がお互いを尊重している、理想のカップルのように見えた。
ルブリス王子は私だけが味方だとまだ思い込んでいるのか、話している相手ではなく私ばかり見る。
「この世界で、私にとって女性はイザベラだけだ」
相変わらず空気の読めない発言を、平然とするルブリス王子が心配になった。
「兄上、イザベラ様は今はサイラス王太子殿下の婚約者でルイ国の次期王妃です。兄上はもうイザベラ様を気安く呼び捨てしてはいけませんよ。もう、彼女は兄上の婚約者ではないのですから。ライト公爵令嬢、ゆくゆくはイザベラ・ルイ王妃殿下と呼ばねばなりません。兄上は次期国王として生まれながら育てられて、誰も兄上の可笑しい発言を咎められませんでした。しかし、僕は兄上の事を心から思っているので伝えますね」
微笑みながら優しく語りかけるエドワード王子の言葉に、ルブリス王子がショックを受けているのがわかった。
ルブリス王子殿下と私でエドワード様に用意して頂いた食事会の場に行くとレイラ王女がいた。
「イザベラ様、君の大好きなレイラが僕から君への誕生日プレゼントです」
エドワード王子は相変わらず美しい上に、王族のオーラが溢れ出していた。
私の隣にいるルブリス王子殿下が彼の言葉に顔を顰めるのが見えた。
「イザベラ、そんな堅苦しい挨拶をしないで。私はあなたを妹のように可愛がってきたのよ。今後はあなたを義姉として、仲良くさせてもらうことになるのね」
レイラ王女はてっきりルイ国にいるものだと思っていた。
「私、レイラ王女の姉になるのですね。姉でも妹でもレイラ王女と過ごせるのが嬉しいです」
姉だとか、妹だとかどうでも良い。
私は尊敬してやまない憧れの人と姉妹になれるのだ。
「私も嬉しいわ。愛しいイザベラ。ルブリス王子殿下、イザベラはルイ国の伝説の王妃になるような逸材ですのよ。700年以上続いた狩猟大会の開会式で彼女は動物の命の大切さについて問いかけたのです。今から、動物の命を奪う狩りの技量を競う大会の開会式ですよ。普通の人間ではできない言動です。しかし、それによって大会の開催に疑問が生じて、今では弓の技術を競う大会に様がえりしています。私も、毎年、毛皮にもできない動物を大量に贈られて処分に困っていた大会だったのです」
レイラ王女は私を褒めてくれているのだろう。
しかし私は普通の人間ができなかった言動をしたという、彼女の言葉ばかりが耳に残ってしまう。
前世で私は普通にずっとなりたかった。
私は普通じゃないから虐められるのだと思っていたから。
「イザベラはルイ国の王妃になるのか?」
今度は相変わらず空気の読めない言動を、ルブリス王子がしていて驚いてしまった。
ルブリス王子は生まれてから、ずっと次期国王としての地位を約束されて育てられたせいか子供の疑問のような言動をする。
その地位ゆえに誰にも発言を咎められることが、今までなかったのだろう。
「さあ、どうでしょうか。ルブリス王子殿下もまだチャンスがあるかもしれませんよ」
私はレイラ王女の思ってもみない言葉に、思わず彼女の顔を見た。
彼女は何でもない顔で、箱だけで城が買えそうなプレゼントを出してきた。
「サイラスお兄様から預かってきた誕生日プレゼントを渡すわね。イザベラ、お誕生日おめでとう」
渡されたプレゼントは王宮の宝物庫にある雪の女王のティアラだった。
建国祭の時にだけ一般公開される、ルイ国の伝説の国宝だ。
「これ見たことがあるぞ。ルイ国の国宝だよな。昔のルイ国の人間はこんなに頭がデカかったんだな。2頭身くらいじゃないか。」
ルブリス王子の天然な発言に、思わず笑ってしまった。
雪の女王のティアラは、形こそティアラだが非常に大きくダイヤモンドとサファイアが所狭しと埋められている国宝中の国宝だ。
彼の言動が可笑しいのは意地悪なフローラを無理やり愛させられたことと、相棒が根暗で元引きこもりだった私だっただけが理由ではない。
彼は生まれながらに次期国王として育てられたがために、周囲の貴族が彼の言動に同調することしかしてこなかった。
それゆえに、思ったことを子供のように口にし続けている。
「仲が良いのね、サイラスお兄様が不安に思うわけだわ」
レイラ王女の呟きにに心が凍る思いがした。
私の行動がサイラス様を不安にさせているという事実に手が震え出す。
「レイラ、あまり意地悪をしてはいけないよ。イザベラ様の好きそうなものを用意したんです。お口に合えば良いのですが」
エドワード王子に心配をかけてしまっただろうか。
私は胸がなぜか詰まってしまい、食事をとる自信がなくなっていく。
「意地悪なんてしてないわ、エドワード。サイラスお兄様はイザベラ一筋だもの。ルブリス王子殿下は新しいお相手はいないのですか?今、国中の女性があなたに注目してますよ」
レイラ王女はエドワード王子とアイコンタクトだけしてルブリス王子を見る。
その姿がお互いを尊重している、理想のカップルのように見えた。
ルブリス王子は私だけが味方だとまだ思い込んでいるのか、話している相手ではなく私ばかり見る。
「この世界で、私にとって女性はイザベラだけだ」
相変わらず空気の読めない発言を、平然とするルブリス王子が心配になった。
「兄上、イザベラ様は今はサイラス王太子殿下の婚約者でルイ国の次期王妃です。兄上はもうイザベラ様を気安く呼び捨てしてはいけませんよ。もう、彼女は兄上の婚約者ではないのですから。ライト公爵令嬢、ゆくゆくはイザベラ・ルイ王妃殿下と呼ばねばなりません。兄上は次期国王として生まれながら育てられて、誰も兄上の可笑しい発言を咎められませんでした。しかし、僕は兄上の事を心から思っているので伝えますね」
微笑みながら優しく語りかけるエドワード王子の言葉に、ルブリス王子がショックを受けているのがわかった。