「カール、私のためにありがとう。でも、ルブリス王子殿下は私と婚約破棄をしてくれると約束したの。私は卒業パーティーの件で殿下を責めるつもりはないわ。私は彼の謝罪を受け入れているの。今、彼はとても追い詰められてて苦しんでいるの。そんな中でも自分の行いを反省して、信頼を取り戻そうとしている。誰も味方がいないというのは、とても苦しいことよ。私は彼に他に味方ができるまでは、彼を支えるつもりでいるわ」
カールは卒業パーティー以来、私のために動いてくれていたのだ。
その優しさに私は胸が熱くなる。
「姉上は優し過ぎます。あれほどの侮辱を大衆の前で受けたのですよ。どうして許せるのですか?僕は大切な姉上を傷つけたルブリス王子が許せません」
「優しすぎるのはあなたの方よ、カール。私は困った時にあなたを助けたいと言ってきたけれど、いつも助けられるのは私の方だった。いつもあなたから無償の愛のようなものを感じているわ」
「姉上、無償の愛を感じているのは僕の方です。それに姉上はいつも僕を助けてくれていますよ。嫌なことがあっても、体調不良と戦いながら今できることをする姉上を見て元気付けられてきました。姉上の手作りのお菓子を食べると、疲れがふっとぶくらい心が回復します」
私はカールの言葉を聞き申し訳なくなった。
彼が疲れていたり、嫌なことがあったことなど私は今知った。
ライ国に戻ってきて以来、私はフローラのことで頭がいっぱいになっていた。
彼女が自分の周囲にいると思うだけで、怖くて仕方がなくなり体も言うことをきかなくなった。
「カール・ライト公子、イザベラをいつも支えてくれてありがとうございます。嫉妬してしまいそうになるくらい2人は仲良しなのですね。そろそろ、公子が待機させているという方々に説明をした方が良いと思います」
「サイラス王太子殿下立たせたままで大変失礼を致しました。実は、証人として有力貴族の子息、令嬢、及び列席者である保護者、教師、アカデミー校長を連れてきています。僕が状況を説明してきますので、お2人は先ほど中断させてしまった、愛の語らいの続きをしてください」
「カール。私が行くわ」
私のためを思ってカールが集めてくれた人々には私自身が話しをするべきだろう。
私は公爵邸の外へと足早に向かった。
「姉上、僕も行きます。皆、今、少し興奮状態なので僕が責任持っておさめます」
私の後をカールとサイラス様がついてきてくれる。
今、私には心強い味方が2人もいる。
♢♢♢
公爵邸の外に出ると100人以上はいるだろう人たちが私を見るなり矢継ぎ早に話し掛けてきた。
「イザベラ様、フローラ・レフト男爵令嬢の戯事を誰も鵜呑みにしていた訳ではございません。私達が、彼女の好き勝手を許したがためにイザベラ様が苦しんでいたことにも気がつかず申し訳ございませんでした」
「イザベラ様、私はイザベラ様がフローラ・レフト男爵令嬢の件で苦しんでいるのが分かっていて何もできませんでした。彼女の後ろに王族であるルブリス王子殿下がいるのが怖かったのです。ルブリス王子殿下はおかしいです。あのようなおかしな女のいいなりになる男など次期国王としてふさわしくありません。私たちはカール公子のお声がけで勇気が出ました。ライ国の未来のために彼を今の座から引き摺りおろすつもりです」
あまりに一変に話しかけれらて、誰に返事をして良いのかわからなくなる。
私はどれだけ視野が狭くなっていたのだろう。
白川愛の憑依したフローラが存在するだけで、前世のように皆彼女の言葉を信じて私を追い詰めると思い込んでいた。
結局、私を追い詰めたのは白川愛の亡霊から逃れられない、私自身だったということだ。
収集がつかない状況を察したのか、アカデミーの校長が私の前まできた。
「ライト公爵令嬢、卒業パーティーという一生に一度しかない場で、辛い思いをさせてしまったことを謝罪させてほしい。ルブリス王子がやりたい放題なのを、王族だからと言って目を瞑り続けていた私の責任だ。アカデミーの教員一同、王子殿下を廃嫡するよう嘆願書を国王陛下に提出しようと思う。サイラス王太子殿下、ライ国の現状に失望しないで頂けると助かります。あのような恥ずかしい騒ぎを見せてしまったことを謝罪させてください。ライ国にはエドワード王子という素晴らしい方がいるのです。彼の婚約者である王太子殿下の妹君も大変聡明な方でした。2人が次期国王と王妃になり、ルイ国とさらなる友好的な関係を築ければと願っております」
私の脳裏に絶望の中にいながらも、もう一度頑張ろうとしているルブリス王子の姿が浮かんだ。
「卒業パーティーの件は公にしないでください。泣いてしまった自分を知られるのが恥ずかしいのです。ルブリス王子は私との婚約を解消するらしいです。長子相続のルールの撤廃も国王陛下に進言すると言ってました。自分の行いを省みて、やり直そうとしている殿下を私は応援するつもりです。皆様も、これからの殿下をみてあげては頂けないでしょうか」
私の言葉にみんなが驚き絶句しているのがわかった。
カールは卒業パーティー以来、私のために動いてくれていたのだ。
その優しさに私は胸が熱くなる。
「姉上は優し過ぎます。あれほどの侮辱を大衆の前で受けたのですよ。どうして許せるのですか?僕は大切な姉上を傷つけたルブリス王子が許せません」
「優しすぎるのはあなたの方よ、カール。私は困った時にあなたを助けたいと言ってきたけれど、いつも助けられるのは私の方だった。いつもあなたから無償の愛のようなものを感じているわ」
「姉上、無償の愛を感じているのは僕の方です。それに姉上はいつも僕を助けてくれていますよ。嫌なことがあっても、体調不良と戦いながら今できることをする姉上を見て元気付けられてきました。姉上の手作りのお菓子を食べると、疲れがふっとぶくらい心が回復します」
私はカールの言葉を聞き申し訳なくなった。
彼が疲れていたり、嫌なことがあったことなど私は今知った。
ライ国に戻ってきて以来、私はフローラのことで頭がいっぱいになっていた。
彼女が自分の周囲にいると思うだけで、怖くて仕方がなくなり体も言うことをきかなくなった。
「カール・ライト公子、イザベラをいつも支えてくれてありがとうございます。嫉妬してしまいそうになるくらい2人は仲良しなのですね。そろそろ、公子が待機させているという方々に説明をした方が良いと思います」
「サイラス王太子殿下立たせたままで大変失礼を致しました。実は、証人として有力貴族の子息、令嬢、及び列席者である保護者、教師、アカデミー校長を連れてきています。僕が状況を説明してきますので、お2人は先ほど中断させてしまった、愛の語らいの続きをしてください」
「カール。私が行くわ」
私のためを思ってカールが集めてくれた人々には私自身が話しをするべきだろう。
私は公爵邸の外へと足早に向かった。
「姉上、僕も行きます。皆、今、少し興奮状態なので僕が責任持っておさめます」
私の後をカールとサイラス様がついてきてくれる。
今、私には心強い味方が2人もいる。
♢♢♢
公爵邸の外に出ると100人以上はいるだろう人たちが私を見るなり矢継ぎ早に話し掛けてきた。
「イザベラ様、フローラ・レフト男爵令嬢の戯事を誰も鵜呑みにしていた訳ではございません。私達が、彼女の好き勝手を許したがためにイザベラ様が苦しんでいたことにも気がつかず申し訳ございませんでした」
「イザベラ様、私はイザベラ様がフローラ・レフト男爵令嬢の件で苦しんでいるのが分かっていて何もできませんでした。彼女の後ろに王族であるルブリス王子殿下がいるのが怖かったのです。ルブリス王子殿下はおかしいです。あのようなおかしな女のいいなりになる男など次期国王としてふさわしくありません。私たちはカール公子のお声がけで勇気が出ました。ライ国の未来のために彼を今の座から引き摺りおろすつもりです」
あまりに一変に話しかけれらて、誰に返事をして良いのかわからなくなる。
私はどれだけ視野が狭くなっていたのだろう。
白川愛の憑依したフローラが存在するだけで、前世のように皆彼女の言葉を信じて私を追い詰めると思い込んでいた。
結局、私を追い詰めたのは白川愛の亡霊から逃れられない、私自身だったということだ。
収集がつかない状況を察したのか、アカデミーの校長が私の前まできた。
「ライト公爵令嬢、卒業パーティーという一生に一度しかない場で、辛い思いをさせてしまったことを謝罪させてほしい。ルブリス王子がやりたい放題なのを、王族だからと言って目を瞑り続けていた私の責任だ。アカデミーの教員一同、王子殿下を廃嫡するよう嘆願書を国王陛下に提出しようと思う。サイラス王太子殿下、ライ国の現状に失望しないで頂けると助かります。あのような恥ずかしい騒ぎを見せてしまったことを謝罪させてください。ライ国にはエドワード王子という素晴らしい方がいるのです。彼の婚約者である王太子殿下の妹君も大変聡明な方でした。2人が次期国王と王妃になり、ルイ国とさらなる友好的な関係を築ければと願っております」
私の脳裏に絶望の中にいながらも、もう一度頑張ろうとしているルブリス王子の姿が浮かんだ。
「卒業パーティーの件は公にしないでください。泣いてしまった自分を知られるのが恥ずかしいのです。ルブリス王子は私との婚約を解消するらしいです。長子相続のルールの撤廃も国王陛下に進言すると言ってました。自分の行いを省みて、やり直そうとしている殿下を私は応援するつもりです。皆様も、これからの殿下をみてあげては頂けないでしょうか」
私の言葉にみんなが驚き絶句しているのがわかった。