私は普通の会社員だから、そういう人らは別世界の人と思っていた。しかし、話をすると、みんな私と同じ普通の人だった。
それは当然のことだったのだが、私にとっては新鮮な発見であった。
「祐華さんは着替えへんの?」
「部屋着やと、くだけすぎかな思て」
「そう。ええ色のセーター着てるね。よう似合ってる」
さとみはご機嫌だ。私を褒める余裕がある。
そんな彼女は、ふわふわもこもこの白い部屋着を着ている。
「さとみさん、それジェラピケやんな。可愛い。さとみさんにぴったりやわ」
なんだかんだで、私もうきうきしているようだ。
そうこうするうちに、次々と男性陣がインして来て、飲み会が始まった。
大橋さんはアナウンサーだけあって、さすがにいい声で話をみんなに振るのがうまい。彼のおかげで、今回の飲み会は大盛り上がりだ。
もちろん、さとみも負けていない。よく通るキレイな声で、「皆さん、おかわり注ぎましょうか? って無理よね。フフッ」なんて、可愛く笑う。
私は会話を楽しみながら、おつまみを食べ、ビールから始まってワインに移行し、飲みまくる。
「ああ、美味しい!」
腹の底から出るため息。
今日の今日まで、自分では気づいてなかった。
この一年、いつも通りに過ごしていたようで、意外と楽しいこと我慢してたんやなあ……。
「今日は誘ってくれてありがと、さとみさんーーって。あれ? さとみさん?」
画面の中のさとみが突っ伏している。私の呼びかけに顔を上げて、「祐華さん、呼んだ?」と答えたが、目が半開きだ。
「さとみさん、そんなに飲んでたの」
「今日はなんか最高の気分やから、世界中のお酒飲みました。今飲んでるのは、なんや知らんギリシャのお酒、アルコール度数40度もあるやつ。ウフフ。……ちょっと夜風に当たってきます。すぐ帰ってくるから、ちょっとみんな、楽しくやってて。あ、音声オフにしときます」
そう言うと、さとみが立ち上がって画面から消えた。
「大丈夫かな? 楽しいと、ついつい飲みすぎてしまうのは無理ないけど」
山田さんが眉をひそめ、心配そうに言っている。
すると、さとみの独り言めいたつぶやきが流れてきた。
「山田さん、優しい。前からファンやったけど、やっぱ好きやわ」
それは当然のことだったのだが、私にとっては新鮮な発見であった。
「祐華さんは着替えへんの?」
「部屋着やと、くだけすぎかな思て」
「そう。ええ色のセーター着てるね。よう似合ってる」
さとみはご機嫌だ。私を褒める余裕がある。
そんな彼女は、ふわふわもこもこの白い部屋着を着ている。
「さとみさん、それジェラピケやんな。可愛い。さとみさんにぴったりやわ」
なんだかんだで、私もうきうきしているようだ。
そうこうするうちに、次々と男性陣がインして来て、飲み会が始まった。
大橋さんはアナウンサーだけあって、さすがにいい声で話をみんなに振るのがうまい。彼のおかげで、今回の飲み会は大盛り上がりだ。
もちろん、さとみも負けていない。よく通るキレイな声で、「皆さん、おかわり注ぎましょうか? って無理よね。フフッ」なんて、可愛く笑う。
私は会話を楽しみながら、おつまみを食べ、ビールから始まってワインに移行し、飲みまくる。
「ああ、美味しい!」
腹の底から出るため息。
今日の今日まで、自分では気づいてなかった。
この一年、いつも通りに過ごしていたようで、意外と楽しいこと我慢してたんやなあ……。
「今日は誘ってくれてありがと、さとみさんーーって。あれ? さとみさん?」
画面の中のさとみが突っ伏している。私の呼びかけに顔を上げて、「祐華さん、呼んだ?」と答えたが、目が半開きだ。
「さとみさん、そんなに飲んでたの」
「今日はなんか最高の気分やから、世界中のお酒飲みました。今飲んでるのは、なんや知らんギリシャのお酒、アルコール度数40度もあるやつ。ウフフ。……ちょっと夜風に当たってきます。すぐ帰ってくるから、ちょっとみんな、楽しくやってて。あ、音声オフにしときます」
そう言うと、さとみが立ち上がって画面から消えた。
「大丈夫かな? 楽しいと、ついつい飲みすぎてしまうのは無理ないけど」
山田さんが眉をひそめ、心配そうに言っている。
すると、さとみの独り言めいたつぶやきが流れてきた。
「山田さん、優しい。前からファンやったけど、やっぱ好きやわ」