私はスマホを制服のポケットから出して確認する。
『祐華さん、今夜オンライン飲みせえへん? (≧∀≦)』
絵文字から、さとみの浮かれっぷりが読み取れた。
「ははーん。これは山田さんが参加するやつやな」
私は独り言を言って、さとみに返信する。
『ええよ、どうせひとり飲み会するつもりやったから。メンバーは?』
「なんだかんだ、さとみさんと仲良しやねんな」
萌がからかうように言って笑うので、私は釈明する。
「いずれはいい人見つけて、さとみさんを悔しがらせてやるつもりやねん。それまでは仲良うしとかな」
「あんたらみたいに二股も三股もかけられてた女たちが仲良うなる映画、観たことあるわ。何ていう映画やったかなあ、古い日本映画」
「ふーん。けど、意外とよくある話ちゃうの? てか、いつも感心するねんけど、萌ちーって物知りやね。それも古い話」
萌はにっこりして、マスクをきちんと付け直すと、「ほなまた来週」と、ロッカールームを出て行った。
入れ替わるように、さとみから返信が来る。
『私たち以外は男性3人ね。大橋さんと伊藤さん、それと山田さん』
(私はすでにカウントされてんのね)
私が断らない前提で、話をしているさとみが面白くて笑ってしまう。
さとみが今回飲み会をセッティングしたのは、おそらく山田さん目当てであろう。
山田さんは、婚活市場に放り込まれたら、一瞬にして肉食系女子の餌食になりそうな男性である。
高学歴高収入、しかもイケメン。
ひとりっ子長男、というのが若干気になるが、そのおかげか、のんびりした優しい性格。
まだ、フリーというのが信じられない好物件。
さとみは知らないだろうが、私も〈ええなぁ〉と、密かに思っていた。
山田さんとは、さとみに誘われて何度か飲み会で会ったことはあるが、そのうちコロナ緊急事態宣言が出て、ここ半年くらいは会えていない。オンライン飲み会も、彼と一緒なのは初めてだ。
『祐華さん、今夜オンライン飲みせえへん? (≧∀≦)』
絵文字から、さとみの浮かれっぷりが読み取れた。
「ははーん。これは山田さんが参加するやつやな」
私は独り言を言って、さとみに返信する。
『ええよ、どうせひとり飲み会するつもりやったから。メンバーは?』
「なんだかんだ、さとみさんと仲良しやねんな」
萌がからかうように言って笑うので、私は釈明する。
「いずれはいい人見つけて、さとみさんを悔しがらせてやるつもりやねん。それまでは仲良うしとかな」
「あんたらみたいに二股も三股もかけられてた女たちが仲良うなる映画、観たことあるわ。何ていう映画やったかなあ、古い日本映画」
「ふーん。けど、意外とよくある話ちゃうの? てか、いつも感心するねんけど、萌ちーって物知りやね。それも古い話」
萌はにっこりして、マスクをきちんと付け直すと、「ほなまた来週」と、ロッカールームを出て行った。
入れ替わるように、さとみから返信が来る。
『私たち以外は男性3人ね。大橋さんと伊藤さん、それと山田さん』
(私はすでにカウントされてんのね)
私が断らない前提で、話をしているさとみが面白くて笑ってしまう。
さとみが今回飲み会をセッティングしたのは、おそらく山田さん目当てであろう。
山田さんは、婚活市場に放り込まれたら、一瞬にして肉食系女子の餌食になりそうな男性である。
高学歴高収入、しかもイケメン。
ひとりっ子長男、というのが若干気になるが、そのおかげか、のんびりした優しい性格。
まだ、フリーというのが信じられない好物件。
さとみは知らないだろうが、私も〈ええなぁ〉と、密かに思っていた。
山田さんとは、さとみに誘われて何度か飲み会で会ったことはあるが、そのうちコロナ緊急事態宣言が出て、ここ半年くらいは会えていない。オンライン飲み会も、彼と一緒なのは初めてだ。