数日後、私は気分転換に写真を撮りに出かけた。

近くにある公園に、綺麗な花が咲いていたため、そこで写真を何枚か撮った。

ずっとしゃがんで撮っていたため、結構腰にきてしまった。

周りを見渡すと、空席のベンチがいくつかあった。

私はその一つに腰掛け、
どんな風に撮れているか、カメラ内のアルバムをスライドして確認していった。

すると、途中で衝撃的な写真が。

なんと、そこにあったのは自分の寝顔。

しかもあの酔いつぶれた日の、まぬけな寝顔を写真に撮られていたのだ。

こんな悪戯が出来るのはあの子しかいない!

私はすぐにその場で写真を消去し、心の中で叫んだ。

セーイーーーーー!!!!

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問い詰めようと急いで帰宅する。

玄関をダダッと通り抜け、バンッとリビングの扉を開ける。

その勢いで叫ぼうとしたその瞬間。
「セッ!」

「あっ、サエー。今日の夕方からなんか雨降るらしいよ。洗濯物取り込んどくー?」

「あぁ……。うん。ありがと」

「はーい」

出鼻を挫かれるとはこのこと。

私の戦意が喪失した瞬間だった。