異世界召喚された聖女(仮)3つのカタチ

「これはなんだい?」
「パンケーキです」

「パン?パンならこの国にもあるけど、果物やほいっぷくりぃむ?を乗せたりするなんて初めてみたよ。興味深いね」

「…ボクが第一号だって星来が言ったんだぞ!なんでアレルヤが先なんだ〜!」

クリスが怒るのを無視してアレルヤはパンケーキを頬張りながら食べていた

「まあまあ…」
レイヴンがクリスを宥《なだ》め、クリスは負けじと頬張った

アレルヤは星来に皿を差し出す

「もしかしておかわり?ごめんね、試作品だからないの…」

アレルヤは無表情ながら一瞬だけ悲しそうな目をして無言で空の皿を眺めていた

「僕の少しどうぞ」
「ふん。」

アレルヤの皿にレイヴンとクリスはパンケーキを分けた。


「美味しかったなら明日から売ってみようかな」





帰城し自室のベッドにバタンと勢いよく倒れる

「今日もつ〜か〜れ〜た〜」


アレルヤは星来の護衛のため、星来の自室に一緒にいた。


ふと水晶のペンダントを見つめた。

「あれからジャンヌ様って人…いや、鹿現れないなぁ〜…」

(なんかこのままでいいのかな…って何をどうすればいいかわからないままだけど)




星来は知らなかった、すでに変化が起きはじめていたことを。