城に戻るとクリスは
「星来、今夜一緒に食事しないか?」
「いいよ」
「よし、約束だからな!」
そう言ってクリスは自室に戻った。

星来は帰っていくクリスを眺めていた。

(なんか懐かれてる?)

星来も自室に戻り、休憩がてらお茶会をすることにした。

「星来様、いかがでしたか?」
お茶会にはテレーゼも参加した。


「私の世界にはない物だらけで楽しかったです…」

「結界近くの村まで行かれたんだそうですね」

「はい…」
星来は黙ってしまった

「貴女は救ってあげられる力があります。焦らずに力を身につけましょう」

「テレーゼさん、ありがとうございます」

星来は迷ったが、なんとなく疑問に感じた事があるので尋ねてみる

「気になったんですが、魔物の邪気についてなんですけど、街の中心部は結界が弱まった影響がなく、邪気とは無縁なんですよね?」

「今のところはですね」

「逆に結界に近い村は影響を受けてると…」

「ええ」
テレーゼは星来が何を言いたいのか、分からない

「中心部に近い城に住んでいるクリスは何故、邪気に充てられて病弱なんでしょうか?クリス本人の話しでは街に行ったのも初めて、村に行ったのも初めてで邪気に充てられてた村人がいたのにクリスは平気だったんですよね」


「…!」
レイヴン、アレルヤ、テレーゼの3人はハッという顔をした。

「たしかに…村には邪気があるからクリスが無事なのはおかしいね、テレーゼ」

「はい。城には国を覆う結界とは別に魔導師たちが王族を守る防壁結界を作っていますし、いつ邪気に充てられたんでしょう?」

「クリス以外が邪気にやられた報告はない………」



「調べてみましよう」

レイヴンとテレーゼは内密に調査を始める事にした






夕食時、星来はクリスを待ったが現れることはなかった