街の中心部の市場に来た。

賑やかな店が並んで活気がある。

「わあ〜見たことないものばっかり!」

「欲しい物があったら言ってね、お金出すから」

「さすがに悪いよ…お金持ってないけど…」

「国費だから…」
レイヴンが小声で教えてくれる
「それって税金…」
「君には国を救ってもらうんだから気にしないで」

(そんな力あるのかわからないのに…)

クリスがキョロキョロしはじめた。

「クリスどうしたの?トイレ?」
星来が声をかけるとムッとしたクリス

「違う!こんな庶民の街なんか何がいいのかと思っただけだ!」

「私には新鮮だけど?クリスは見飽きたとか?」

「…ボクは街に行ったことない。父上が駄目だって言うから…」

「じゃあ何で来たの?」

「そ、それはお前を守るためで……せ、星来と街に行きたいとかじゃないからな!勘違いするなよ!」




お昼時なので近くの飲食店に入ってみた。
星来の世界で定食屋のような所だ。

「うー…読めない」
メニューのようなものが壁にあったが異世界文字はさすがに読めない。

「好き嫌いある?ないなら僕のオススメ頼んでいいかな?」
「うん、お願い」

「クリスも初めてだよね?どうする?」

レイヴンがクリスに尋ねるとクリスは警戒し、そっぽを向くとレイヴンは悲しそうな顔をした

「クリス、私と同じのにしない?」
「星来が言うなら、それでいい」

星来とレイヴンは苦笑した。

「それにしても国王が民が不安がってるって話、本当?なんか皆、楽しそうに笑ってるんだけど」

「中心部はまだ影響がまだ及んでないんだ。結界の近くの村はココを見た後だと驚くよ。行ってみる?」

「…行きたい」
星来はこの世界の事が知りたかった。