✱✱✱✱✱Side テレーゼ&アレルヤ ✱✱✱✱✱

テレーゼはアレルヤを連れ、シュトッフェルに報告をした。

「試練か、ならば名案がある」

シュトッフェルは楽しそうだ


「星来様に……き………し………る……がよい」
「えっ!」
テレーゼは耳を疑った
「何か文句あるのかな?テレーゼよ」

「…一つ目の件は了承しました。…もう一つ目ですが星来様にそんな事を……」

「命令を聞かぬならお前を最高位の地位を落とし他の者に任せるとしよう…」

「り、了承致します…地位剥奪はお許し下さい」
テレーゼは頭を下げる

「ハッハッハ!地位に縋《すが》りつくとは情けない奴だ」

愉快に笑うシュトッフェルにテレーゼは唇を噛み、腹を立ていた

(くっ……レイヴン様の気持ちが良くわかる!……星来様の為にこの地位を降ろされるわけにはいかないんです…)

テレーゼは帰りたいと不安で泣く星来と今日の笑顔を見せてくれた星来を思い出していた。

テレーゼと同じことを思い出していたアレルヤは父であるシュトッフェルを嫌悪感を隠すことなく睨みつけていた。


「…………」

「何だ、アレルヤ?言いたい事があるなら言ってみろ。声を出してな」

「……!」


「ふん。お前は所詮…」
「さ、先程の件、頃合いを見計らって実行いたします」
テレーゼはシュトッフェルの言葉を遮った。これ以上はアレルヤのためを想えば言わせてはいけない。





2人はシュトッフェルとの話が終わり、廊下を歩いていた

「まさか…聖女様になんてことを一体何をお考えなのか…」

「…」

テレーゼは立ち止まりアレルヤの方に向く

「アレルヤ殿、星来様をお願いしますね」

コクコクと頷くアレルヤ