「星来、僕とテレーゼで聖女伝説の謎を解いて婚姻しない方法や帰る方法模索して見るからしばらく我慢してここに滞在していてほしいんだ」

「…うん、わかった」

不安は常に付き纏《まと》っているがレイヴンの優しい気持ちは素直に受けることにした。

「ところで星来の横にある透明な物は何?」

「これはミキサーです」
「異界の物かな?」

「果物や野菜入れて自動でジュースやスムージーにするんだよ」

「み、見せてもっていいかな!?」
星来からミキサーを受け取ると大興奮して調べはじめた。

(そういえばレイヴンは研究メインにしてるんだっけ…)

「これはどう使うの?」
電源ケーブルを抜いてクネクネしているレイヴン

「これはコンセント……電気…電圧をかける為の線かな?」

説明が難しい。電気なんてあって当たり前の生活だったので気にしたことがなかった。

伝わるかなー?と思っているとウンウンと頷くとポケットから小さな石のようなモノを取り出し、ケーブルを差し込む溝にはめ込んだ。

「動かないね〜」と困っていたので星来は電源ボタンを押すとウィーンと音と共に動き出した。これには星来も大興奮した。

「すごい!動いた!どうやって!」

「雷の魔法石をはめ込んだんだよ。魔法石は魔術師が魔力を溜め込み、魔力の弱い者に護身用として授けるもので…それ以外にも用途が〜…」
レイヴンの話が止まらない

「レイヴン!ありがとう〜!電気ないから動かないと諦めてたよ!」
この世界に来てから一番の笑顔を見せた星来。
レイヴンは「いえ…」と顔も耳も真っ赤だ。


「どう使うか見せてくれる?」

「うん…準備して欲しいものがあってね」

しばらくして頼んだものを持って来て貰ったのだが運んで来てくれたのはテレーゼだ