「あ…あの…せ、聖女様。こちらよろしければ」
レイヴンと呼ばれた男性がハンカチを渡してくれた。

「ありがとうございます」
ハンカチを受け取り星来は涙を拭く


星来が落ちついたところを待った。

「ご不安の中、紹介してもよいでしょうか?」
テレーゼが星来に意思確認する

「…はい」

「彼はレイヴン様です。この方は私と同じ魔導師ですがメインは研究です。……大変申し上げにくいのですが、彼はこの国の王子様です」

「え…」

「は…はじめまして!レイヴンと申します!あの…あの…」
星来を前に緊張していた。


「この人が私と婚姻する人ですか?」

「えっと…これも申し上げにくいのですが…」
テレーゼは言いにくそうだ

「そうでもあり…そうでもありません…実は国王のお子様であらせられる王子は3人いるのです」


「まさか3人と婚姻ですか?」
星来はもうゲンナリしていた。



「さすがに1人かと。星来様が落ちついてからと思いましたが…王子様を紹介しますね。こちらの長男レイヴン様、壁にいる次男アレルヤ殿、そしてここには不在の三男クリス様です」


(え…無表情の人、王子様だったんだ…白衣の人も長男っぽくない…)
星来は失礼な事を考えていた

「星来様、話し長くて混乱されたでしょう。とりあえず星来様の自室をご用意させてありますから参りましょう、ね?」

「はい」