「なんでよ…マジ最悪…神には勝てなくてもアヤカシの最高位なんでしょ…簡単にやられないでよ…」
雪愛は動揺していた。

「翼様ぁ〜私のために頑張ってよ!私の我儘や欲しい物もなんでも叶えてくれるって言ったじゃない!!」

雪愛は翼の体を揺すると翼は重い瞼を開け、愛しい雪愛を見つめ手を重ねた。

「ああ、雪愛の願いは全て叶えてやるよ…雪愛、愛してる」
「私もよ、翼様っ!!」
翼はフラフラしながらも雪愛の為に立ち上がる。

「十六夜様、トドメはワタクシたち女子にまかせるわん」
『…?。譲ってやるが榛名に危険が及んだら俺がやる』

葵はコクッと頷きながら人型になり、榛名と音羽を連れて前にでる

「あら〜白々しい小芝居ですわん」
葵は口元に手をあて笑うのを我慢する素振りをみせる

「なんだと?」
翼が睨めつけるが葵はむしろ楽しそうにしていた

「雪愛でしたっけ?榛名様の力を奪いたいのは十六夜様の方が天狗より好条件だから。自分が神子になり十六夜様を手に入れるために、天狗は利用するだけの道具であなたは無価値だそうよ〜」

「雪愛はオレ以外は愛するわけないだろ!龍神もどきに目を惹かれたみたいだが…雪愛はオレを裏切らない!」

「そ…そうよ!」
雪愛は少し目が泳いだが、葵は見逃さなかった。

「霊力が島一番の最強だか知りませんが人間性は島一番最悪ね〜勘違いなおバカさん♪クスクスッ」

「なななっ…翼様コイツ潰してよ!十六夜様より簡単でしょ!」

「そういえば…天狗の子供の方は榛名様を側室にしょうとかしてたそうですわね。浮気ですわん〜よく愛してるとかほざけますわん」

葵は羽根を投げると羽根から翼、雪愛のそれぞれが側室にしたい事や十六夜を手に入れるために天狗を見下し利用すると発言した音声が流れた。

「これは番解消させる必要があるねぇ〜…翼の番とは面識ないが話を聞いている以上に愚かだ。小娘を番にするのは私は反対だよ」
音羽は更に追い討ちをかける

「どういう事だよ!!オレ我儘聞いて愛してやったのに裏切るつもりだったんだな!」
「ハァ?愛してやったって何様よ!私がなってやったんだからね!感謝しなさいよ!」

先ほどまで愛の言葉を交わしていたのに大喧嘩を始めた雪愛と翼。

葵は愉快そうに小さく「おほほっ、ワタクシと榛名様にしてきた事の恨みですわん」と笑った。



「女性はどこの世界でも怖いですぅ…」
「葵には絶対逆らっちゃダメなの…」
『ああ…』
ムクとミクだけではなく十六夜も同意してしまった