『榛名ぁ!!』
十六夜は焦ってしまい榛名しか見えなくなっていると更に追い討ちかけるように翼が十六夜を刺す

『ぐっ…!!き、貴様…この俺に手を出すとはどういうことかわかるな…!』

十六夜は苦しそうに顔を歪めた。

「アンタさ〜調べたら天界や神に捨てられたんだろ?龍神とか青龍とかまだ言ってんの馬鹿じゃね?また神子守れなかったなぁ!あははははっ!!」

翼は十六夜を卑屈な顔で見下し何度も何度も体を刺した。

『くっ!』

「スゲーだろ。この"神龍ノ剣(じんりゅうのつるぎ)”はよ〜。この島で神子を殺され暴走したお前を消すために神が作った剣だぜ?元龍神でも神の力に対抗できねぇだろ!」

『どこで手に入れた?神が保管してたんじゃないのか?』

「天狗のアヤカシが保管してたんだよ。神がオレたち天狗に渡したんだ。"また青龍が暴れたら使え"ってな」

『俺は暴れていないが?お前たち天狗は神の言いつけを守れないとはな…後で痛い目みるぞ』

フッと皮肉に笑う十六夜にイラッとした翼

「雪愛を惑わしたじゃねぇか!!雪愛はオレの番だ!!あの忌み子の力は雪愛のモノなんだよ!!」

剣で何度も何度も十六夜の顔を殴りつける。
十六夜は無言で翼を睨みつけていた。


「ああ、言いつけは守ってるぜ?なぜなら忌み子…一応、まだ神子か。あの女はこれから八重って神子と同じ目に合うからな。そしたらお前は暴れるだろ?だから先に防いでるわけ〜」


『八重と同じだと…!?』
十六夜は目に怒りがこみ上げた

「別にいいじゃん〜良いこと教えてやるよ。八重って神子を殺した人間の中に神楽家がいたんだよ!つまりあの女は大事な神子を殺した穢らわしい血が入ったマジもんの忌み子だぜ!!霊力ないのも納得だなぁ!!ぎゃはははははっ!!」

『…………』

「あ・雪愛は神子として生まれだから綺麗な純潔で綺麗な女だけど」

十六夜の怒りで豪雨と雷が鳴り響く


『き…貴様ァ!!』

「うおりゃあああっ!!」

『がはっっ…!!』

十六夜は倒れた。


後ろからもう一人の者が十六夜を刺した。


神龍ノ剣は2本あったのだ。