光希と七宝と一緒に夕食をとる。

(私1人だから適当だったけど光希様たちがいるとお気に召すか緊張する…毎食さぞ高級な食事をなさってるでしょうに私の料理じゃ不足よね…)

特に何も言われず、光希はパタパタと動いているムクとミクを目がいっていた。


「あ…失礼しました。あまりにも可愛くてつい…」
「いいえ」

「榛名様が幸せそうで良かったですわ」
「光希様が私なんかを助けていただいたから私は頑張れたんです。光希様には感謝しかありません」

光希の顔や声は榛名を本当に心配してくれたんだと思わせてくれるほど優しいかった。

「光希が言ってた通り、いい子じゃないか。酷い仕打ちされてたのは見たけど、あの妹の姉とは思えない」

「七宝様は私と榛名様が接触できるように妖狐の力を貸してくださったんです」
「そうでしたか!気づかず、すみませんでした。ありがとうございます!」

七宝は榛名同様面識はないが、光希が榛名を助けたいと願ったのでこっそりと協力していた。
妹の雪愛がアレなので姉の榛名は逆に良い子すぎるくらいと感じていた。




「天狗と妖狐がどうなるかだよな〜…」
「妹がすみません…」
「君は悪くないって!…でも雪愛って子はなんとかしないとな。翼様は番に甘々だし当主も何も言わないのが気になるしさ〜…」

「雪愛自身や霊力は天狗のアヤカシに利益があるとかでしょうか?」
「霊力はかなり強いと思うけど西ノ島に相当強い霊力の子いるし…まぁ天狗は西には出入り禁止だから妹で妥協したんじゃない?人格はアレだしマイナスにしかなってないと思うけどな」

「西ノ島…天狗と一体何が…」
聞かない方がいいよと言われ、気になるが他の島のことなので黙った。


「私がアヤカシの世界に行ったら雪愛さんに従わなければいけないんでしょうね…」
アヤカシは上下関係があるので番の花嫁もそれに準じなければならない。光希は思わずため息がこぼれた。

「天狗の当主の奥方様は天狗のアヤカシの女性なんだけど、かなり厳しくて当主は尻に惹かれ、息子の翼様も厳しい躾されてたから妹も厳しく躾られるだろうし大人しくなるかもよ」

今からでもしてくれと願った榛名と光希

「その奥方様が何も言わないのが一番気になるんだよ。翼様も躾されたと思えないほど、やりたい放題してるしさ」

「亡くなったとか?」
「亡くなったらアヤカシの世界で大騒ぎだしアヤカシの女性は貴重だからな〜」



榛名にとってアヤカシの番でもないし、アヤカシの世界のことはサッパリなので疑問ばかりが浮かんでしまう。


わかったのは雪愛をなんとかしなければ、いけないことだけ。