✱✱✱✱✱✱✱Side 十六夜&ムク&ミク✱✱✱✱✱✱✱

ムクとミクは十六夜の自室に連れていかれた。


「いい作戦だと思ったなの!なのに!なのに!」

「失敗ですぅ!やっちったですですぅ〜!」

全身で駄々をこねるはじめたムクとミク


『説明しろ』

ムクとミクは頬を膨らませ「ぶぅー」と不機嫌だ。



『だからなんだ?何がしたいんだお前たちは』

「ボクたち十六夜様にハルナ様を番にして欲しいですぅ」

『は?』

「なのなの!それなのに失敗したの〜」



「十六夜様、昔は格好良かったのにこんなヘタレ畜生になりやがったですぅ!」

「根性なしのお馬鹿ちゃんなの!」



『………』
なぜか辛口評価されてしまう十六夜は怒りより呆れていた。


『余計な事をするな。俺には八重がいる。八重以外は絶対に神子にも番にもしない』



「まーたヤエ様ですぅ…」

「ヤエ様じゃなくてハルナ様として見てあげないと可哀想なの」

『八重と榛名が違うことはわかっている!だから榛名は生贄なんだ!』



「十六夜様がハルナ様にヤエ様の話をする時どんな顔してるか知ってるの?」



『………』

八重の話をしている時の榛名はいつも通りだったはずだがと思ったのだがムクに否定される



「平然を装いながら苦しい顔してるですぅ」



『…あいつはそんな顔してたのか』



「十六夜様はハルナ様のこと好きですぅ?」



『!』

ムクにそんな事を聞かれなぜかドキッとした。




「きっと運命なの。だってハルナ様の神通力は癒やしの力で稀なんでしょ?なの。」

「十六夜様と巡り会うためにハルナ様は生まれたですぅ」

『………俺は八重を裏切れない。………それにあいつにアレを話せば嫌悪感を抱くだろう?』



目を瞑り昔を思い出していた。



『…俺は榛名に嫌われたくない。今後、余計な事はするな』




「はいですぅ…」
「はいなの…」
強い口調で伝えるとショボーンとしムクとミクは仕方なさそうに頷いた。これで諦めるだろうと。





「でも最後の作戦なの。のってくださいなの〜」ムクとミクは十六夜の手をひいた