ムクとミクは葵に十六夜の事や榛名の事、そして2人をくっつけたいと話した。
葵も榛名の幸せのためならと協力することになったのだが…ドタドタと廊下を走らせる音を響かせていた


『くっそ…!』
「葵は鹿使いが荒いですぅぅ」
「なの〜」

「はーい、口より手と足を動かすわん!ね〜榛名様ぁ〜ん」

「……うん、そうだね」

葵は榛名の膝の上で甘え、十六夜、ムクとミクの男子組は甚平に着替え廊下の雑巾がけをさせられていた。

ムクとミクの甚平はドングリ柄で少し大きいらしくダボっとして可愛らしさがある。十六夜はネイビーの無地の甚平だ。


『誰だ、こんな広い屋敷作ったのは掃除する身になれ!』
「十六夜様ですぅ」
すかさずムクがツッコミを入れるとミクも頷く



葵から話を聞いた後に十六夜は神通力を与えたのだが、葵に島周辺の鳥たちに注意を(うなが)す事と島に怪我した鳥や動物がいないかを探るよう伝えたが、特にないようなので十六夜は行く必要がないと判断した。榛名も十六夜の決定ならとそれ以上、何も言わなかった。



「お疲れ様です。お茶煎れましたから休憩しませんか?ムクちゃんとミクちゃんもお水持ってきたよ」

『ああ、頼む』

「わ〜いですぅ」
「休むの〜」


ムクとミクはそれぞれ十六夜と榛名の膝に座った。

『なんだ?』

「えへへ〜こうしてるとボクたち十六夜とハルナ様の子供みたいですぅ」
「ママなの〜パパなの〜」

「甘えるミクちゃん可愛い〜」


榛名はともかく十六夜の反応がイマイチ悪く作戦は失敗したと思ったムクとミク