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『これだな…くっ!』

「十六夜様、ババ引いたなの」
「わかりやすいですぅ」

今日はトランプで遊んでいる。
ムクとミクは難しいことはできないが、簡単なゲームならやりたいと参加した。


『榛名、さぁ引け!』

あからさまにババであろうカードが突き出ていた。

「……」
榛名がババのカードを引くとニヤリとする十六夜


『勝ったな』







「ビリですぅ〜」
「び〜り〜なの」

『なぜだ…俺様は神だぞ?』


「ふっ…あははっ!可愛い〜…あ。失礼しました」
  

『構わない。最近はよく笑うな。いい事だ』

十六夜は榛名の腰を引き寄せる。

十六夜がキスをしよう、顔を近づけると外の方からカコンと音がなった。


『珍しいな』

「?」


音のした場所に向かうと鳥が大怪我をして瀕死状態だ。


「鳥さん?怪我してる…助けないと!」

隙間にハマってしまったようで手が届かない

「ボクたちに任せるですぅ」
「なのっ!」
榛名では難しいのでムクとミクに任せることにした。



『…榛名のお手並み拝見だな』
十六夜は呟きながら榛名達を眺めていた。


助けた鳥は海鳥だろうか?妙に傷が酷い。

海鳥の傷をみた榛名は一瞬、家族からひたすら折檻を受けていた事を思い出した。

(まさか…罪もない鳥さん相手にやってるわけないよね…。)

『この鳥は東丿島辺りから来ているようだな。人間には見えない島も鳥などの動物には見えているからな』


「東丿島の住人に怪我をさせられたって事ですか?」

『…かもな』

「そんな…ごめんね…私の島の人たちのせいで…」
海鳥を優しく抱きしめ涙を流した


『泣いて謝る暇があるならお前が救ってみせろ』

「え?どうやってですか…」