「俺、先輩に触られてるって思うだけで、すっごいエロい気分になるんですよ」
「マジ？」
「マジです」
未早は冷静だ。とても落ち着いている。興奮してるとは思えないけど、本当なんだろうか。
彼は自分のベルトを外し、ズボンを下ろした。下着の中心部、そこは一目でわかるぐらい腫れていた。
「ほら……ね？ アガってきてるでしょ」
その下着も下ろし、彼は苦しそうに息をする。暗がりの中、ぼんやりと照らされる肌色。ここがどこだか分かってんのかって叱ってやりたい。何かこっちの方が恥ずかしくなってきた。

「お前ってやつは……。もしかして俺より性欲強いんじゃない？」
「そうかもしれません。だって、先輩とこんなことできるなんて夢にも思わなかったから」

────あぁ。
それは、俺もそうだ。
決定的に違うのは、俺が知るずっと前から……未早は俺を想っていた、ってところだろうか。
「先輩、俺が実はこんな奴で幻滅しました？」
「いや……むしろすげー嬉しい」
また彼にキスした。今度は、口腔内に舌を這わせて。片手間に、彼の性器を激しく扱いた。人のものに触れるのは初めての経験だったが、躊躇はしなかった。熱を持ってると分かったとき改めて興奮した。
触って、握っている。彼の大事なところ。弱いところ、気持ちいいところ……自分の掌の中に。

「は、あっ、ぁ……せんぱ……っ

未早は目に涙を浮かべて、俺にもたれかかる。時間も場所も忘れて、よくない行為に没頭した。
創作に興奮するのは変わらないけど、今こうして触れ合って、熱を感じて。
声を聴いて、体重を乗せて、泣きそうな顔を眺める。それも全て、自分のせいで。
妄想なんかじゃ到底味わえない。頭の中だけじゃ絶対に感じられない快感だった。
「な、未早……入れないから、ちょっとここ貸して」
「え」
初めてで何の準備もせず、しかも場所が場所だ。彼に無理のない範囲で、俺は自分の性器を取り出した。
そして後ろから、彼の脚の間に潜り込ませる。
「しっかり、太腿しめといて」
「あ……っ」
彼の前の部分を触り、激しく腰を打ち付けた。所謂、素股だ。
「一緒にイこ、未早」
「んぁ、ぁ……っ！」
締めつけられるような感覚は、絶頂へ達すのが早く。俺は未早の太腿を汚した。未早もまた、その直後にイッた。掌に彼の精液がべったり付く。全然いい、むしろかなり嬉しい。

「はは、初めて俺の手の中でイッちゃったな？」
「ふ、あっ……」

未早はまだ訪れる快感が強いらしく、果てた部分を軽く握ると辛そうに崩れ落ちた。
「おっと……！」
床は汚れてるから、先に座って彼を自分の膝に乗せた。