冷静に考えたら、確かにそうだ。
恋人がいるのに他のもので欲求を満たすなんてとんでもない。オ〇ズと愛する人はちゃんと切り離さないと。
これはむしろ沼から抜け出す良い機会かもしれない。
「未早、俺、もうBLは卒業するよ!」
「え? いや、別にいいですよ。先輩はBLと塩と日光がないと生きられないんでしょ?」
そんなことないけど、未早は困った顔で笑った。
「俺は、そういう本を読んで耐えられる自信がないから。でも先輩はそんな心配ないだろうから」
いやある。欲情する確率99.9%。
「俺結構BLをおかずにしてた……ごめんなさい……」
現恋人に言うのはどうかと思ったけど、隠しごとはしたくなくて正直に話した。絶対引かれると思ったけど、未早は意外にも驚かずに答えた。
「何か年齢制限多いのばっかでエッチな絵が入りますからね。それは仕方ないです。これからも気にせず、男同士のネットリラブストーリーを読んでください」
「でも、お前はそれでほんとにいいのかよ?」
「まぁ信じてますんで。ほどほどでお願いします」
ちょっと気まずそうに告げる彼が、初めて普通の高校生みたいに見えた。

「先輩を独り占めにしたい気持ちはあるけど、先輩の楽しみまで奪いたくないから」
「未早……お前どんだけ良い奴なんだよ! 今まで知らなくて、心の中でたくさん悪口言ってた。本当にごめん!」
「え、そうなんですか? じゃあ俺も先輩の悪口を部活で言いふらしますね」
「ごめんなさい!」