「BLなんて関係なかったんです。俺は最初っからこういう人間だった。紅本先輩のことが大好きで大好きで……でも先輩に知られたら絶交されちゃうと思って、ずっと隠してたけど……うわああぁぁぁぁ!」
「わかったから、ちょっと絶叫すんのやめ」
「俺もう18禁は見ません! もう二度と約束を破ったりしないから……先輩、俺と絶交しないでくださあああぁぁぁぁ」
「絶叫したら絶交するよ?」
「絶交しないでください!」
そのまま頭を振り落とし土下座すると、強引に引き上げられた。そして苦しい程に抱き締められる。
「嘘だっつーの。そりゃ、驚きはしたけど……俺だってお前に告白されてから数日は、お前で良くない妄想をしてたよ? ちょっとぐらいは仕方ないだろ。俺、実はお前が初めての恋人だし」
「……っ」
俺もだ。先輩が初めての恋人。初めて、好きになった人。
ごめんなさいとかありがとうとか色々言いたかったけど、何かもう色々限界で涙が溢れてくる。
「先輩……こんな俺ですけど、またイチからやり直させてもらえますか?」
「当たり前だろ。俺にはお前しかいないよ」
先輩に触れた部分は、未だに熱い。
いや、まだ触れてない部分も。……昂る熱に浮かされてしまいそう。
「先輩。好きです」
「あぁ。俺も、お前が好きだよ……未早」
幸せな時間だった。
勘違いやすれ違いはあれど、それを乗り越えたときの絆は変えがたい。
────俺達はきっと、これから何があっても乗り越えられる。