(美味しい! 我ながら良い感じの出来かもしれない!)

 春蘭はもくもくと食べ進め、完食した後は少し休憩してから浩国と雄力、兵士達による武術の鍛錬を見学する事にした。

「陛下! 以前よりもきれいな体勢になりましたなあ!」
「うるさい……だが、進歩したというのは良い事だな。体力をつけていかねば……」

 ここで浩国が上着を全て脱ぎ、上半身裸の状態となった。スチルで見せていたような華奢で細い肉体よりも肉厚となり、腹筋も重厚感あふれるようなものと変化している。

(すごい。だいぶ変化してるじゃん! 計画通りっていうか、本人の努力の賜物でもあるよね)
「どうかしたか? 春蘭」
「あっいえ、その……すごく成長されたなって」
「俺自らやる気を出さねば変わるものも変わるまい」

 彼の真面目な部分を目の当たりにした春蘭は、改めて計画がうまく行っているのは自分よりも浩国の努力が大きい事を確認した。

(すごいなあ。まあゲームで良い子なのは知ってたけどここまでやる気になるなんて)

 春蘭の前で浩国は、まるでボクシングのように雄力が持つ黒い革性の緩衝材へ拳で突く攻撃を何度も見せた。

(浩国、かっこいいじゃん)