(あ、そういえばここって栄養系の本とかおいてあったりしないかな?)

 頭の中に栄養学の本達がよぎった春蘭は、女官に栄養学や料理系の本は無いか? と尋ねてみた。

「はい、ご用意いたします」
「お、お願いします……」
(あっそっか。持ってきてもらえるんだ……申し訳ないけど、今は動かない方がいいもんね)

 しばらくすると女官が山積みになったたくさんの本を持ってきた。春蘭が慌てて本を受け取る。

「金賢妃様、すみません……」
「いえいえ、こちらこそすみません、重そうなのに……」
「そんな、これが女官の務めでございますから」
(すんごい良い子じゃん……!)

 さっそくベッド……架子床の上に足を伸ばして座ると、薬膳の本を手に取りぺらぺらと頁をめくる。

(へえ……転生したせいか中国語がすらすら読める……それにすんごい詳しく書かれてるなあ、挿絵付きだし分かりやすい)

 春蘭の読書欲に一気に火が付いた。彼女は勢い任せに女官が持ってきた本を読み進めていく。