(このパン、さっき厨房の人は面包(ミェンパオ)って言ってたな。中国風のパンって事か?)

 ハンバーグの種が出来ると、丸く整形していき、真ん中に穴をあけていく。全て整形し終えるとじっくりと蒸し焼き風に焼いていく。

「火、通ったかな……」

 途中でハンバーグを箸で割って、火が通ったかどうかを確認しつつ慎重に焼き上げていく。
 ……だが、ここで彼女はある悩みに直面した。

(チーズ入れるか、そのまま焼いてポン酢かけてもらうか悩む! 平安時代にそれっぽいものがあったって日本史で習ったから、チーズは多分この世界でもあるだろうし……!)

 考えた結果、ハンバーグの上にはチーズをのせてみる事に決めた。宮女に頼んでチーズを貰った春蘭は専用の小刀でチーズを細かくそぎ、ハンバーグの上へとかけると熱のおかげでチーズがゆっくりと溶けていき、とろっとした見た目となる。

「良い感じだ……!」