女官からの言葉を受けた春蘭は、残りの盛り付けを女官達に任せ、浩国の元へと向かう。

「陛下！　そして皆様！　今日はお越し下さりありがとうございます！」
「ああ。金賢妃。……なんだか美味しそうな匂いがしているな」
「！」

　浩国からの反応に、春蘭はやった！　と感じながら参加者に席へ座るように促した。

「楽しみだな。どのような品々が出てくるか」

　浩国のまだ完全には信用していないと言うような目つきを見た春蘭は、彼へ優しい笑みを見せた。

（絶対、食べて頂きますからね！）

　春蘭の合図により、品々が運び出された。

「今日、私達が作りました品々はこちらとなります。ぜひお楽しみ頂けたら幸いでございます」

　春蘭の言葉を受けた妃達からは、金賢妃様がお作りになったの？　などと次々に驚きの声があがる。勿論その反応は春蘭の予想通りだ。

（そりゃあ、驚くよね）

　春蘭は浩国の元へと自ら料理の乗ったお皿を置いた。

「ふぅん……」

　浩国の品定めするかのような視線が、春蘭達が作った料理達に浴びせられる。
　全てお皿が並べられたのを見計らい、春蘭は口を開いた。

「それでは皆様お待たせ致しました。どうぞお召し上がりくださいませ」