「よ、よかったです……!」
「そぼろと良い相性かと存じます。これは陛下も気に入ってくださるのではないかと」
「そうですか! あ、ありがとうございます……!」
そぼろ入りの炊き込みご飯おむすびにはっきりとした手ごたえを感じた春蘭は右手をぐっと握りしめた。
(頑張ろう……!)
試食品は全て平らげ、ほっと安堵の表情を浮かべて自室へと戻ったのだった。
◇ ◇ ◇
当日。春蘭は早めに厨房に入り、宮女や春蘭付きの女官や応援に来た別の妃付きの女官達と共に準備に取り掛かる事にした。
女官達の中には料理経験が無い者もいるので、春蘭が手取り足取り包丁の持ち方などを教える。
「わっ!」
女官のひとりが包丁を落としたのを見た春蘭は、急いで彼女の元へと駆けつける。
「お、お怪我はありませんか?!」
「あ、怪我はしてないです……すみません」
「いえいえ、謝る事は無いですよ」
落とした包丁は拾って石鹸で丁寧に洗って、釜で煮ているお湯で煮沸消毒してから再び使用する。しかし包丁を落とした女官は既に腰が引けて気分が落ち込んでいた。
「そぼろと良い相性かと存じます。これは陛下も気に入ってくださるのではないかと」
「そうですか! あ、ありがとうございます……!」
そぼろ入りの炊き込みご飯おむすびにはっきりとした手ごたえを感じた春蘭は右手をぐっと握りしめた。
(頑張ろう……!)
試食品は全て平らげ、ほっと安堵の表情を浮かべて自室へと戻ったのだった。
◇ ◇ ◇
当日。春蘭は早めに厨房に入り、宮女や春蘭付きの女官や応援に来た別の妃付きの女官達と共に準備に取り掛かる事にした。
女官達の中には料理経験が無い者もいるので、春蘭が手取り足取り包丁の持ち方などを教える。
「わっ!」
女官のひとりが包丁を落としたのを見た春蘭は、急いで彼女の元へと駆けつける。
「お、お怪我はありませんか?!」
「あ、怪我はしてないです……すみません」
「いえいえ、謝る事は無いですよ」
落とした包丁は拾って石鹸で丁寧に洗って、釜で煮ているお湯で煮沸消毒してから再び使用する。しかし包丁を落とした女官は既に腰が引けて気分が落ち込んでいた。