厨房を見て回った春蘭は自室へと戻ると、夜遅くまで品を考えていたのだった。
そして2日後。身体の痛みはほぼ無くなったので厨房に立って試作品を作ってみる事にする。春蘭自ら調理するという事に女官達は最初は驚いていたものの、最終的には見守る事に決めたのだった。
厨房に到着した春蘭はさっそく野菜と肉……使用する食材を取り出す。すると厨房に雪と周充儀が入って来た。
「ごきげんよう。金賢妃様」
「周充儀、こんにちは」
周充儀から何をなさるおつもりで? と尋ねられた春蘭は、えへへと笑った。
「ああ、今からちょっと料理作ってみようかなって……」
「まあ、料理が出来るのでございますか?」
驚く周充儀に春蘭は手際よくほうれん草をざくざくと切っていく。そして昆布を沸騰した釜に入れた。
(まずはほうれん草のポン酢和えだな)
切ったほうれん草は水で洗って釜で煮る。その間にポン酢を作る作業に入った。
ポン酢の材料は茶色い壺に入った醤油とみりん、一切れの柚子と昆布。醤油とみりんに手で絞った柚子の果汁にほうれん草とは別の釜に入れて置いた昆布から取っただし汁を入れてかきまぜる。
(幻彩の後宮の世界にまさか醤油……いや、調味料のさしすせそ全てがあるとかどうなってるんだこの世界……)
「金賢妃様、手際が良ろしいですね……!」
「へへ……ちょっと味見してみますね」
女官達から次々手際の良さを褒められた春蘭は、匙ですくってひとくち口の中に入れて味を確かめてみる。
そして2日後。身体の痛みはほぼ無くなったので厨房に立って試作品を作ってみる事にする。春蘭自ら調理するという事に女官達は最初は驚いていたものの、最終的には見守る事に決めたのだった。
厨房に到着した春蘭はさっそく野菜と肉……使用する食材を取り出す。すると厨房に雪と周充儀が入って来た。
「ごきげんよう。金賢妃様」
「周充儀、こんにちは」
周充儀から何をなさるおつもりで? と尋ねられた春蘭は、えへへと笑った。
「ああ、今からちょっと料理作ってみようかなって……」
「まあ、料理が出来るのでございますか?」
驚く周充儀に春蘭は手際よくほうれん草をざくざくと切っていく。そして昆布を沸騰した釜に入れた。
(まずはほうれん草のポン酢和えだな)
切ったほうれん草は水で洗って釜で煮る。その間にポン酢を作る作業に入った。
ポン酢の材料は茶色い壺に入った醤油とみりん、一切れの柚子と昆布。醤油とみりんに手で絞った柚子の果汁にほうれん草とは別の釜に入れて置いた昆布から取っただし汁を入れてかきまぜる。
(幻彩の後宮の世界にまさか醤油……いや、調味料のさしすせそ全てがあるとかどうなってるんだこの世界……)
「金賢妃様、手際が良ろしいですね……!」
「へへ……ちょっと味見してみますね」
女官達から次々手際の良さを褒められた春蘭は、匙ですくってひとくち口の中に入れて味を確かめてみる。